2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『チャーリーとチョコレート工場』

ティム・バートンの『チャーリーとチョコレート工場』では、選ばれた5人の子供たちが工場の門を入り、工場の扉が開くと、自動人形たちが彼らを迎え歌い踊り始めます。しかし、よく見ると人形の顔には老朽化による染みがついており、やがて点火される花火によ…

『ブリスフリー・ユアーズ』

アピチャッポン・ウィーラセタクンの『ブリスフリー・ユアーズ』も工場の門をめぐる映画です。ビルマ人ミンは不法滞在で健康診断書がないため、恋人ルーンが勤める工場をくびになって敷地内に入ることができず、門衛所のビルマ人労働者と雑談しながらルーン…

『人間の声』

ロッセリーニの『人間の声』では、ほとんどフィックスで捉えられるマニャーニの顔=身体は、繰り返し彼女が覗き込む鏡によってその視覚性をさらに強調され、一方、2回目の電話以降受話器から漏れてくる相手の男の声らしき機械音(しばしば聴き取りにくいと言…

『ゴーストダンス』

ケン・マクマレンの『ゴーストダンス』の中で、デリダはパスカル・オジエと見つめ合い、監督の演出に従って次のような対話をしたそうです。「では、あなたはこれを信じますか、亡霊を信じますか」というデリダの問いに、彼女は短く、「ええ、今は、そうね」…

幽霊=法=王

スクリーンが同時にカメラであること。ベンヤミンが語るせむしの小人のように、いつもこちらを見つめているのに、こちらからはその眼差しを捉えられない幽霊の視線。スクリーン=カメラと観客の非対称性。モンテイロの眼、中原中也を見つめる眼。デリダによ…

『ニース、ジャン・ヴィゴについて』

ジャン・ヴィゴの『ニースについて』の翌年に『ドウロ河』を撮ったオリヴェイラの短編『ニース、ジャン・ヴィゴについて』は、やはり映画の幼年時代についての作品です。現在のニースのイギリス海岸とヴィゴの撮ったイギリス海岸、子供たちの遊戯広場でピエ…

工場の門

ファロッキの『工場を立ち去る労働者』(95)は、リュミエールの『工場の出口』に始まり、工場を立ち去る労働者の姿がいかに繰り返し映画史の中で、あるいはまた記録映像として撮られてきたかを示しながら、それは子供がはじめて言えた言葉を100年間繰り返し、…

映画=労働

ファロッキが出演してるストローブ=ユイレの『階級関係』のメイキングをファロッキ自身が撮ってるけど、フィトゥシの撮った『シチリア』のメイキングとほぼ同じ。ストローブ=ユイレの手法は昔から頑固な農民のように変わらないということかな。映画=労働…