2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『略称 連続射殺魔』

足立正生の『略称 連続射殺魔』は、死刑囚・永山則夫が、生まれてから逮捕までにさまよい続けた風景を辿りながら、その風景のなかに不在の永山の痕跡を求めようとするものですが、見ながら時おり、佐藤真の『SELF AND OTHERS』を見ているような錯覚に陥りま…

アーレント

足立正生が語っていたパレスチナの楽天性について考えていたら、ハンナ・アーレントが亡命ユダヤ人の楽天性について語っているのを見つけました。 「自分の生活を建て直すためには、頑強で、かつオプティミストであらねばならない。だからわれわれは、非常に…

ユダヤ性

エルンスト・ルビッチ、フリッツ・ラング、フランツ・カフカ、ヴァルター・ベンヤミンという20世紀の偉大なユダヤ人たちを継承するのは、今ではもうチェスの元世界チャンピオン、ボビー・フィッシャーくらいかもしれません。 自分を「最後のユダヤ知識人」と…

足立正生

デリダが死ぬ前のインタビュー*1で、自分は常に生き延びるということをテーマに仕事してきた、今更のようにみんなが自分を60年代世代の最後の生き残りとして語るのは心外だみたいなことを言って、デコンストラクションとは、自分が生き延びたという痛みとと…