2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『愛の予感』

『東京物語』で尾道のポンポン蒸気のエンジン音がラストで原節子が開ける懐中時計の音へと繋がっていくように、小林政広の『愛の予感』では、すべての物音が日常の反復を刻む秒刻として響いています。特に渡辺真起子がボールで卵を溶き、フライパンで焼く音…

ジャ・ジャンクー『無用』

ジャ・ジャンクーの新作『無用』は、「無用」ブランドを立ち上げるファッションデザイナーのマー・クーを扱った部分がひどく味気ないのに対して、フェンヤンの仕立て屋や炭鉱労働者を撮ったとたんに映像が生き生きとして、ジャ・ジャンクーが本当に楽しんで…