2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャン=クロード・ルソー『閉ざされた谷』

『閉ざされた谷』について語るジャン=クロード・ルソー 聞き手:Cyril Neyrat *1 「(…)元素は、強いられずとも、またどんなに遠くから到来しようとも、調和することを承諾し、共鳴状態に入り、物語を聞かせます。不意に何かが現れます。私には何かが達成…

ジャン=クロード・ルソー

「フレームが正しいのは、それが移行するとき、開かれてあるとき、つまり、視線がもはや提示されているものの上に止まらず、横断するときです。移行とは、表象の彼方を、深部を、提示されているものの彼方を見ることです。この深部は現実的です。絵画あるい…

フーコー/シュレーター

ヴェルナー・シュレーターとの対話でフーコーは次のように語っています。 「心理主義映画から完全に抜け出そうとするあなたのやり方は、私には実り豊かなものと思えます。そこで見えるのは身体、顔、唇、目だけです。それらのものにあなたは一種の情熱にあふ…

『小さな逃亡者』

「もし若きアメリカ人モリス・エンゲル(Morris Engel) がその美しい映画『小さな逃亡者』でわれわれに道を示してくれなかったら、ヌーヴェル・ヴァーグは起こらなかっただろう。」とトリュフォーに言わしめ、『大人は判ってくれない』の誕生に大きく貢献し…

『遭難フリーター』

岩淵弘樹の『遭難フリーター』は、お金がなくて泊まることもできず、雨降る夜に高円寺から平和島の海をめざして、ひたすら歩き続けるラストシーンが素晴らしかった。暗闇に見える「関係者以外立入禁止」の看板によって、海に至ることさえできないにしても、…

『チェンジリング』

冒頭に「真実の物語」という文字が見えますが、この映画は「真実」とフィクションの曖昧さをめぐる物語と言えるでしょう。ファスビンダーがナボコフの『絶望』を映画化した『デスペア』は、主人公が自分に瓜二つの男を殺害し、その男になり代わって生きよう…