『ジェーンへの手紙』

ゴダール/ゴランの『ジェーンへの手紙』は、ベトナム戦争時のメディアに掲載されたベトコンと対話するジェーン・フォンダの一枚の写真をめぐって、ゴダールとゴランが交互に様々な解釈、コメント、考察を英語ナレーションで語ってゆく聴覚的映画です。写真のジェーンがベトコンの話に耳を傾けているように、重要なのは話すことではなく、ベトナムが何を欲しているのか聴くことだという結論とともに映画は終わります。映画は時間を聴く耳を提示するという『映画史』のテーマに通じるものが、この頃から変ることなくゴダールにはあったようです。


セルジュ・ダネーは人に絵葉書を送るのがとても好きだったといいます。凡庸な、どこにでもある、典型的な風景(例えばパリの街角のカフェのような)への愛着。*1モンテイロもダネーの絵葉書から出発して映画を撮りました。

*1:"Conversation Nord-Sud:Daney-Sanbar" de Simone Bitton