水の系譜

ペーター・ネストラールドルフ・トーメがともに河(あるいは湖)の作家として、ムルナウ/フラハティに連なる水の系譜に属していることの映画史的意義が今後評価されるならば、戦後ドイツ映画の豊かさがはじめて明らかになるでしょう。ネストラーが、河の詩人ヘルダーリンを思わせるのは、彼が河の流れに魅入られており、それが例えば『ノルトカロッテ』の流れるようなモンタージュとなってあらわれるからにほかなりません。