ルドルフ・トーメ

75歳のルドルフ・トーメが元気です。3月に革命直後のエジプトへ行き、壁に描かれたストリートアートの映像と画家へのインタヴュー映画をアップロードしています。このアートは、「ファラオの時代と革命と上エジプトの村落風習」のミックスとのこと。「今、カイロにいることは、少なくとも映画を撮るのと同じくらいエキサイティングだ」。
4月にはミュンヘンのフィルムミュージアムで、新作『青のただなかへ(INS BLAUE)』の初上映に合わせ、ドイツ初のホン・サンス全作品レトロスペクティヴが開催され、ホン・サンスを愛するトーメは観客とのトークに駆けつけます。ホテルで焼酎チャミスルを飲みながら、「これはホン・サンスの映画でほとんどいつも飲まれている酒で、これを飲んだあと、女たちは陽光に溶けたバターのように柔らかくなり、男たちに、アイラヴユーと言う」とブログに書いています。
この時、映画批評家クラウス・フォルクマーから見せられたという1965年オーバーハウゼンでのトーメ、クラウス・レムケ、マックス・ツィールマン(トーメの『探偵』、『紅い太陽』、『タロット』などの脚本家)のインタヴュー映像もアップロードされています。当時、三人は、ストローブ、ペーター・ネストラーとともに「第二次オーバーハウゼン宣言」を作っており、そのテクストはネストラーがまだ持っているとか。「いつになったら誰かこのマニフェストを掘り起こしてくれるんだ!ぼくらはもうすぐ死んでしまうぞ!」とトーメ。
5月には次回作『河の少女(DAS MÄDCHEN VOM FLUSS)』の脚本を書き上げます。執筆の間、毎日20キロほど自転車で炎天下、走り回っていたというタフさ。次回作の撮影はエジプトで。エジプト人のユーモアを映画に取り入れたいといのこと、「たぶんぼくは前世でエジプト人だったのかもしれない」。
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