『モンスターズクラブ』

3・11の後に何を撮るのか?例えば豊田利晃の『モンスターズクラブ』における被爆した死者のようなモンスターたちとの対決。それでも地上への愛ゆえにテロリストであることを選択するモンスター。宮澤賢治の新たな読みが、東北への祈りとして捧げられます。
『メカス×ゲリン  往復書簡』でホセ・ルイス・ゲリンが、小津への賛辞とともに東北に捧げた映像は、確かに洗練されてすばらしいけれど、『モンスターズクラブ』の映画としてのかっこ悪さに及ばないような気がします。
9・11について何も撮らなかったメカス。生きるために、死を撮ることを回避するメカスの老獪さは、ナチス時代を通過した者にとっては当然の欲求なのかもしれません。