ブランショ

ブランショによるルイ=ルネ・デ・フォレ論
「夜の夢の中に子供の姿が繰り返し立ち現れる。あるときは、紫苑と薔薇のあいだで微笑みながら、≪その恩寵の充溢する光の中に≫立って、またあるときは、宙にろうそくをかかげながら、自分が消え去るのを見られないようにするために惜しむようにそれを吹き消す。≪その姿は夢の中でしか見られない/苦痛を眠らせるにはあまりにも美しすぎて≫、そして反対にそれは苦痛をひどくする。なぜなら、それがそこにいるのはただ夢想とともにのみ、すなわち、それが偽りのものであることを人が同時に知っている現前性とともにのみであるからだ。偽りの?
≪いや、それはそこにいる、たしかにそこに/眠りがわれわれを欺いたとてかまいはしない。≫
(ブランショ『他処からやって来た声』、守中高明訳、以文社)