ルジアダス

深夜のバスで
国境を越える
乗客たちは
灼けた肌を寄せ
慣れた往還を
まどろむ


ぼくらは
疲労に身をゆだね
河から河へ
ルジアダスの夢をたどる


蛇行する山道
岩肌に生える木々
やせた大地と
無辺の広がりのあいだを
揺られてゆく


見知らぬ言葉の響きに
耳を澄まし
遅延する到着を
さらに引きのばし


流れの先に
船出する者たちを
見送りながら