ちんどん通信社

韓国のサムルノリのCDを聴きながら、日本のサムルノリ(?)、ちんどん通信社のライブに行きました。ちんどんのみの前半はとてもよかったけれど、後半のゲスト・大工哲弘とはかなりミスマッチだったような。ジャージ川口のつっこみもなくなったし、本人も歌ってたけど、いったい誰が呼んだんだ!ちんどんのアルバム『OSAKA STYLE』(off note)、すばらしい出来です。でも、びっくりしたのは、林幸治郎が、宮城県の片田舎で見つけたという老人「ヂンタ」*1・北村大沢楽隊のアルバム『STURM UND DRANG』(林幸治郎プロデュース、off note)です。ちんどんの小林信之介の高音で空へ歌うような(中原中也的!)クラリネットも好きだけど、大沢楽隊の「クラリネットの血みどろの絶叫」は、本当にアヴァンギャルド徳川夢声によれば、「ヂンタの妙とは、あの如何にも自棄な、虚無的な、たいはい的な奏しかたにある。例えば、吾人がそれを聞いていると、演っている楽士たちが、のこらず、親不孝もので前科者で、無頼漢で、女たらしで、花柳病患者であると思へる様な、リズムがなければならない。」*2そうですが、確かにそんな演奏です。

*1:明治・大正時代の楽隊で、街頭宣伝から園遊会、式典、サーカスや映画館の伴奏などにかりだされた。―林幸治郎による解説「『疾風怒濤!!!』ノート」

*2:同解説