民衆と芸術作品

「人間の闘争と芸術作品のあいだにはいかなる関係があるのか?」という問いにドゥルーズはこう答えています。
「この上なく密接で、私にとってこの上なく神秘に充ちた関係です。まさにパウル・クレーが、「わかるでしょう、民衆が欠けているのです」と言ったとき、言おうとしていたことです。民衆が欠けている、同時にそれは欠けていない。民衆が欠けている、とはつまり、―それは明白でなく、けっして明白とはならないでしょう―芸術作品と、いまだ存在しない民衆との根本的親近性は、いまも、これからもけっして明白とはならないということです。いまだ存在しない民衆に呼びかけることのない芸術作品はありません。」*1