クラウス・レムケ

かつてのノイエ・ミュンヒナー・グルッペの一人で今もミュンヘンのシュワービング地区に住むクラウス・レムケの近況。2012年ベルリン国際映画祭にて。
「アクション 死んだカーペット―ベルリン映画祭占拠―クラウス・レムケ
(レムケによるナレーション)ドイツには誇るべきものがある。われわれは最高の車を作っている。しかし、われわれの映画は墓石のようだ。映画監督が家賃を払えるようになったら、もうそいつは終わりだ。家から追い出され、人生が苦痛で、成功もせず、惨事に次ぐ惨事に耐えることができて、はじめて創造力は発揮される。40年に渡る国家映画的思考の影響下、この国はすっかりだめになってしまった。映画監督は去勢され手際だけいい軟弱者になり果てた。〔インタヴューに答えるレムケ:俺はコスリック(ベルリン映画祭最高責任者)に言ったんだ、もう一度俺の作品を拒否したら、殴り込みに行くと。〕このベルリンで新しいドイツは生まれるだろう、すべての人が破産に次ぐ破産を重ねて、ドイツがこの40年間無視してきた現代性という新しい精神が生れるだろう。」
http://www.youtube.com/watch?v=09pNyLPkEx0&feature=related
レムケ達の尻出し抗議は、ベルリン映画祭最高責任者のディーター・コスリックに新作『ベルリン・フォー・ヒーローズ』上映を拒否されたためというより(これは宣伝のための話題作り、そもそもレムケの映画はウィーン映画祭以外ではほとんど常に拒否されているとのこと)、2010年にレムケが出した「ハンブルク宣言」に基づいています。それによれば、ドイツでは税金による映画振興システムによって、映画監督は国家のための映画作りをするよう誘導され、その結果ドイツ映画は「よい子。凡庸。癒し系。ドイツ文化センター。」のような作品ばかりになり、「世界中で退屈なもののトップでありつづけている」(確かにそのとおり)。「国家はいいかげんに映画からその鉤爪を離すべし」、「ドイツ映画はいまこそ映画振興協会の牢獄から解放されねばならない」というのがレムケの主張です。コスリックはこの振興協会のお偉いさんでもあります。
このビデオを撮ったMalakoff Kowalskiは歌手、ビデオ作家。
http://www.malakoffkowalski.de/HOME.html