灰と煙

「灰と煙にはどんな違いがあるのかしら?一見すると煙の方が、なんの痕跡も残さずに消え失せてしまうようだけど、煙は立ち昇っていくわ、風をとらえ、軽やかになり崇高になっていく。灰はー落ちる、力なく、疲れ、いっそう物質的になり、その語を風化させてしまう。灰はどこまでも分割していくことができるわ。」(デリダ、『火ここになき灰』、梅木達郎訳)