2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

エリセのモンテイロ論

悲劇のサイコロ(ジョアン・セーザル・モンテイロ)*1 ヴィクトル・エリセ ジョアン・セーザル・モンテイロは、同世代の映画作家の小さな家族の一員として、私にとって不可欠の参照対象であったし、今後もそうあり続けるだろう。定まった住処をもたないコス…

モンテイロとニーチェ

シネマテカ・ポルトゲーザ出版のモンテイロ本の編纂者の一人ジョアン・ニコラウによれば、『行ったり来たり』のオリジナル・シナリオでは、最初と最後以外のシーンはすべてプリンシペ・レアル広場に設定されており、そこでベンチに坐ったジョアン・ヴヴーが…

モンテイロのパリ日記

1999年8月8日から15日までパリでヴァカンスを過ごしたモンテイロのパリ日記より。*18月9日月曜日 遅起き(10時過ぎ)して早糞。子羊の糞が夜の間にかさを増やし、雄山羊の糞の大きさにまでなるとは予期してなかった。この消化循環の、困難な絞り出される贖罪…

リスボン

リスボンの地下鉄駅バイシャ・シアードの出口にあるカフェ・ア・ブラジレイラの前には詩人フェルナンド・ペソアの像が座っていて、それに隣接するカモンイス広場には大航海時代の詩人ルイス・ド・カモンイスの像が立っています。カモンイスは叙事詩『ウズ・…