『アカルイミライ』

paulowniacahors2005-04-24

2003年のカンヌ映画祭黒沢清の『アカルイミライ』が上映されて、当時はまだル・モンドの記者だったジャン=ミシェル・フロドンがすぐに取り上げて褒めていた、あの反応の早さは偉いと思いました。落ち目のカイエの評者たちは、ほとんど評価していないか、見ていなかったのだから、その後カイエはフロドンを編集長に迎えて再生を託すしかなかったのですね。翌年、ポンピドゥー・センターであったモンテイロ追悼本(Pour Joao Cesar Monteiro, Ed. Yellow Now - Cote cinema, 2004)出版記念ファン決起集会(?)でも、ずいぶんとカイエは評判が悪かった。あの追悼本をイオセリアーニの奥さんが見て嬉しそうにしてたけど、モンテイロイオセリアーニが共演するのを一度見てみたかった…。ところで、『アカルイミライ』がパリで『Jelly Fish』として上映された時には、ソファーに坐っている浅野忠信の幽霊に藤竜也が、「そこにいるんだろう。ずっといてもいいんだよ。」って話しかける素敵なシーンなど少なからぬ部分がカットされてたと思いましたが、なぜだったのでしょう?『ドッペルゲンガー』など、最近は一作ごとにほとんど神業的になってゆく黒沢清、新作が楽しみです。